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温泉のお話その弐。浸透圧
2020/05/28
前回、浸透圧って何?という事に触れました。
今回はその続きです。

◆低張性って?
当館の温泉の特性は以下のように分類されます。
「低張性・中性・高温泉」

「中性」は以前書いた酸性とかアルカリ性などの「pH」の事ですね。

「高温泉」というのは源泉の温度の分類で
42℃以上のお湯は「高温泉」と呼ばれます。
ちなみに25℃以下の場合、温泉ではなく「鉱泉」と呼ばれます。

もう1つの「低張性」という言葉。
実はこれが温泉の浸透圧の事をさしているんです。
この他性質に応じて「等張性」「高張性」という分け方をします。

◆身体への作用
実際、温泉の浸透圧の違いで何が起きているんでしょうか。
それぞれの特徴をまとめてみると・・・

・低張性 → 体に水分が入ってくる
 温泉の方が体液より浸透圧が「低い」ので
 温泉の水分が皮膚を通して身体へと浸透してきます。
 入浴中に水分が皮膚に染み込むと、指などがしわしわになりますが、あれは低張性のお湯の特徴です。

・等張性
 温泉と体液の浸透圧が同じくらいなので
 浸透圧の差による水分の移動はほぼ起こりません。
 等張性の温泉は数が少ないので、わりと珍しいんですよ。

・高張性 → 身体から水分が出ていく
 温泉の方が体液より浸透圧が「高い」ので身体の水分が温泉の方へ出て行こうとします。
 なので、高張性は脱水・湯あたりがしやすいとも言われます。

また、皮膚を通過する物質は水だけではありません。
温泉中のごく小さなイオンなどは浸透することがあります。
特に高張性のお湯では温泉成分が浸透しやすいと言われます。

古くから「効く温泉」「薬湯」と言われているような温泉は
高張性である事も多いそうです。

こう書くと「高張性以外の温泉は効き目が無い?」なんていう気もしますが
決してそんな事はございませんのでどうぞご安心ください。

ごく小さな物質しか通れない上に、皮膚にはバリア機能があります。
それをかいくぐって浸透するのは大変なんです・・・
なので、温泉の作用は皮膚の表面か
浸透しても浅い所で見られる作用の方が多いと言われます。

以上、温泉の成分や性質を色々見てきましたが、温泉の良さはその他にもございます。
次はそのあたりに触れてみたいと思います。

それでは、皆様
姫の川のそばにある隠れ宿、美肌の湯に、お越しくださいませ。